あれこれオーストラリア探訪「二週間の大移動」

 Date:2014年06月05日15時07分 
 Category:地域(海外) 
 SubCategory:あれこれオーストラリア探訪 
 Area:指定なし 
 Writer:三陽生人
 この二週間でメルボルン、ケアンズ、タスマニアと三州に友人を訪ねた。オーストラリアはとにかく大きな大陸である。ヨーロッパがすっぽりと入ることを示した写真を見せられた時にはとにかく驚いたが、実際に移動してみると本当にその大きさを実感する。移動はすべて飛行機であることは当然だが、シドニーからメルボルンまでは南におよそ1時間半。東京と福岡くらいの感じだ。オーストラリアは冬に向かっており、しかもシドニーよりもかなり南下することから、相当に寒いだろうと思って出かけたが、思ったほど寒くはなく、比較的に過ごしやすかった。一年前に訪ねたときはハエの多さに驚いたが、さすがに気温が下がっているせいでハエに纏わり付かれることはなかった。トラム、電車、バスの公共交通機関に「マイキー」というカード一枚で自由に乗り降りでき、しかも一日に何度乗り降りしても7ドル程度というシステムは、シドニー在住者には羨ましい限りだ。シティーに溢れるカフェ、プロ並みの演奏で心を和ませてくれるパフォーマーの多さもメルボルンの人気を高めている一因だろう。

 一旦、シドニーに戻りその後北に飛行機で3時間のケアンズへ出かけたが、こちらはまだ真夏で、半袖を用意していなかったことが悔やまれた。ケアンズといえばグレートバリアリーフが有名で、きれいなビーチを思い起こさせるが、海とは反対の山側も熱帯雨林が広がり、大自然を肌で感じることができた。農家のおばさんと出会い、自家製のドライマンゴーを食べさせてもらったが、ドライフルーツが余り好きではない私でも舌鼓をうつほどの味だった。そこのご主人が「今日は海に魚釣りに行ったが、クロコダイルがたくさんいて魚は釣れなかったよ」と笑いながら話してくれたが、友人に聞くと冗談ではないらしく、海辺にはワニが生息し、決して安全ではないらしい。サンセットを見に出かけたビーチは絵はがきみたいな景色だった。鳥だと思ってみていたものが優雅に飛ぶ大型のコウモリだと聞かされ驚いた。何でも公園の木々にぶら下がっていて、フルーツの実を食べるらしい。夜に丘の上の芝生の上に寝転んで見た空は、日本では一度も見たことのない満天の星空で、南十字星のそばを五個の流れ星が流れ、不思議な宇宙の運行に思いを馳せることができた。

 またまた一旦シドニーに戻り出かけたオーストラリア南端のタスマニアは日本人には真冬の環境だった。お邪魔した友人宅では暖炉の中の薪に火が揺らいでいた。靄のかかった早朝、丘の上に建つ友人宅から眺める山の頂きにたなびく雲と空、そして町並みの風景は、何とも美しかった。靄の中を走る車の中で、友人が「この靄の大半は家庭の煙突から出る暖炉の煙だよ。ここは小さな北京なんだ」と笑いながら口にしたが、果たしてそれが本当なのか冗談なのか、真偽のほどは未だに良くわからない。二泊の短期滞在だったため、タスマニアンデビルなどの動物を見に行く機会には恵まれなかったが、州都ホバートの港を歩いていた時にクルーザーをつなぎ止めた球体のブイの上で、ペンギンが休んでいるのに出会いびっくりした。It`s my first time to meet wild Penguin だったからだ。港の周辺に建ち並ぶレストランや小物屋さんもヨーロッパの風情を感じさせるものが多く、心休まる空間だった。

三カ所の小旅行は短期故にたいした観光はできなかったが、下の娘との久しぶりのひと時でもあり、楽しい旅となった。


ケアンズ


メルボルン


タスマニア