あれこれオーストラリア探訪 「ゲイパレード」

 Date:2015年03月27日13時59分 
 Category:地域(海外) 
 SubCategory:あれこれオーストラリア探訪 
 Area:指定なし 
 Writer:三陽生人


 先日、シドニーで開催されたゲイの祭典、マルディグラ(MARDI GRAS)に行って来た。世界最大のゲイパレードとあって、各地から観光客も訪れ、スタート地点のハイドパーク(シドニー中心街にある大きな公園)から終点となるアンザック公園までの沿道は人、人、人が溢れ、人垣のためにとてもパレードが見れる状況ではなかった。パレードは夜7時からのスタートだったが、道路の最前にいた人達は、きっと昼過ぎ頃には場所取りをしていたのではないかと思う。

 人で溢れる歩道をかき分けながら、なんとか道路際まで行こうと試みるが、それでなくても体の大きなオージー連中の前には、なす術もない。

 中には小さな脚立を持ち歩いている人、ビールケースを踏み台にしてパレードを見ている人もいる。若者の中には沿道の木によじ登っている人も。

 iPadを高々と持ち上げてパフォーマーを撮影している人も多くいたが、私はそこに映し出される映像を後ろの方から見て、パレードの様子を伺う程度だった。

 パレードの参加者なのかどうかは分からないが、裸の上半身にペインティングをした若者数名を見かけ、思い切って声をかけ写真を撮らせてもらったら、周りの観光客までが我も我もと写真を撮り始め、あっという間にその子らは人気モデルに変身してしまった。

 日本ではなじみの薄い、というよりも違和感すら感じる同性愛。しかし、ここシドニーではゲイやレズといった人達に出会う事は少なくない。公園や歩道のベンチなどで男同士、女同士が肩寄せ合い、寄り添いながら話をしている光景は、そう珍しくない。同性愛者に対する偏見がないからこそ、おおらかに振る舞えるのだろう。ダウンタウン近くのニュータウンという地名の街にあるバーには、曜日によってゲイの日、レズの日を設定していると聞く。

 先日、あるメディテーション(瞑想)のミートアップをインターネットで見つけ、出かけて行ったが、なんとそこはゲイの人達だけが集うミートアップだった。一緒に行った友人の女性は、入ってすぐに気づいたらしいが、私は終了間際まで分からなかった。やけに男性が多いとは思ったが、さすがにゲイとは思わなかった。参加者は30人程度いたと思うが、女性は私の友人を含め5人ほどだった。

 会場を出て友人と立ち話をしていると、男性が連れて来たと思われる一人の女性がその彼氏らしき男性に向かって怒鳴っていた。きっと知らされずに連れて来られ、心落ち着けるどころか、嫌悪感でいっぱいになってしまったのだろう。

 駅に向かって帰る途中、会場にいた女性が前を歩いているのに気づき、私の友人が声をかけると、なんとその人は女装した男性だった。正直、驚きと同時に笑いそうになったが、失礼のなきよう振る舞い話をしてみると、話好きなのか、ゲイメディテーションのことを中心にいろいろと話を聞かせてくれた。

 肉体美を競い合っているかのような男性を多く見かけるシドニー。一寸見、ごつい感じのする男性にゲイの人が多いという意外な話もあるし、男性がするピアスはゲイの合図なのだという本当のような嘘のような話も聞く。そんな話を聞くたびに、たくさんいる男性オージーの友人を見る自分の目が偏り始めていないかと心配になる。

 https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Z0Hjy_ZztvY