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【四字熟語の処世術】心機一転(しんきいってん)
Date:2016年08月12日11時37分
Category:
文学・語学
SubCategory:
四字熟語の処世術
Area:
指定なし
Writer:
遠道重任
参議院選挙に東京都知事選挙と慌ただしい選挙月間が終わった。選挙は戦そのもので特に東京都知事選挙では舌鋒鋭く相手陣営を批判する舌戦が繰り広げられた。焦点が政策論争というよりも人格面や政治家としての資質、はたまた相手陣営の言葉の揚げ足取りなどに終始した感は否めない。ここまで批判合戦を繰り広げると普通人なら互いの関係修復はかなり難しいと思うのだが、そこは政治家、戦が終われば互いに歩み寄って前を向こうとする姿は流石である。二階堂自民党幹事長の「撃ち方やめ」の一言は実に面白い。
心機一転…ある動機をきっかけとして、すっかり気持ちがよい方向に変わること。また、あることをきっかけに、すっかり気持ちや心をよいほうに入れかえること…と辞書にある。小池新東京都知事はもとより、自民党の東京都連や連合野党も心機一転して東京の未来をよりよくするために互いに力を合わせてくれるに違いない。
一方、遠くブラジルのリオではオリンピックが開幕した。新聞やテレビが日本選手の活躍を連日、我々に届けてくれているが、メダルを逃した選手も心機一転、次のオリンピックを目指して、あるいは新たな人生のステージで頑張ってもらいたいものだ。スポーツであれ何であれ、光は常に勝者に向けられる。しかし、実は敗者こそが次のドラマの主人公であることを我々は見逃しがちだ。満月は新月への一歩だが、新月はまた満月への一歩であることを忘れてはならない。
自分事だが、今年で60歳だ。まもなく還暦とはいえ、「まだまだ若い」と思う自分がいる。残念なのは体のあちこちに不具合が生じている事だ。メンテナンスをと思い2月からジムに通い始め、体はかなり引き締まって来たと思うのだが、つい先日、腰を痛めて丸一週間布団から起き上がるのが辛い日々を送った。ようやく普通に動けるようにはなったものの、未だに腰の痛みは完治しない。心と体のバランスが崩れ始めるのが「老い」というものだろうかとつくづく思う。若いときには考えもしなかった事だ。
それでも還暦の年を迎え、心機一転、新たな事にもチャレンジしたいと密かに企んでいる。体は騙しだまし動かし続けることができても、心の元である気力までが病んでしまっては本当の老人になってしまう。心を新たにすることで気力は充実する。気力の充実が若さを維持させる。これからもうひと花咲かせることができるかどうか、自分自身、楽しみでもある。