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あれこれオーストラリア探訪「メルボルン ハエとの戦い」
Date:2013年03月07日10時33分
Category:
地域(海外)
SubCategory:
あれこれオーストラリア探訪
Area:
指定なし
Writer:
三陽生人
メルボルンに対して抱いていたイメージを後ろ向きに壊してくれたのはハエの存在だ。
メルボルンは世界一住みやすい街として認められており、自然と文明が創り出した快適さとが見事にマッチした都市である。
シティと呼ばれる街中には縦横にチンチン電車トラムが走り、もちろんバスも走っている。郊外へはトレインが走っており、公共交通機関はこの三つだけだ。この三つを同じチケットで乗り降りでき、しかもゾーン1とゾーン2という二つのエリアに分け、その区間内は同一料金という、なんとも大雑把な料金体系なのだ。かつ、2時間以内の乗り降りなら何回乗っても約3.5ドル程度。それを超えると一日パスになり、一日中バスであろうとトラムであろうとトレインであろうと乗り放題で7.5ドルくらいだ。おまけにシティサークルという街の外周を周遊するトラムは無料である。
何かと物価高ではあるのだが、この交通システムだけは分かりやすくて割安感がいっぱいだ。
メルボルンは街中にカフェがあり、至るところ、歩道上に椅子とテーブルが並び朝から晩まで多くの人々がカプチーノを飲みながら談笑している。その隣ではストリートミュージシャンや、パフォーマーの人達が芸術を披露していて、それがまた街の雰囲気にマッチしている。ミュージシャンと言っても若者だけではなく、結構年配の方も多い。ドラマーもいればオカリナ奏者、クラッシクのギタリストなど、様々な人が自分を演出し、行きかう人やカフェ、レストランでのんびり過ごす人々に披露している。
彼らの存在がメルボルンという文化都市を演出していると言っても過言ではない気がする。最早素人芸ではなく、レストランやカフェがまるで雇ったプロのミュージシャン、プロのパフォーマーといった感じなのである。
しかしである。それほどの街なのに何故かハエが多いのだ。都市のど真ん中で纏わりつくハエを手で追う美女の姿は、なんとも不釣り合いである。おそらく路上で食事するのが習慣と化しているメルボルンという大都市のど真ん中は、ハエにとって格好の餌場なのだろう。
それにしても、誰も不衛生と感じている風はなく、ハエとも共生していると言った感じさえする。その光景を見ていると、何だか日本人があまりにも衛生という事に敏感になりすぎているのではないかとさえ感じる。