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あれこれオーストラリア探訪
Date:2013年03月19日10時19分
Category:
地域(海外)
SubCategory:
あれこれオーストラリア探訪
Area:
指定なし
Writer:
三陽生人
マッコーリ ユニバーシティ ビレッジ
シドニーでホテルを転々としているときのこと、シドニー市内から電車で一時間くらいのところにあるマッコーリ大学の近くのホテルに三日間だけ宿泊した。
初日、 iPhoneのナビに案内されながら現地に来たものの、ホテルらしきものはなく、近くの人に尋ねてもわからない。かなり途方にくれていると、たまたま通りかかった郵便配達の人に尋ねて漸くたどり着くことができた。
これがホテルなの?と思わず我が目を疑ったのは、チェックインのために入ったはずのホテルのフロントが、実はビレッジの管理人室だったからだ。つまり、ここはホテルというよりも学生寮の一室だったのである。名前にあるビレッジとは、マッコーリ大学の学生が住むために作られた学生のためのアパート群で、それが大学を囲むように作られ、ビレッジを形作っていたのだ。
学生アパートといっても、2階建ての一棟に4つの個室とリビング・キッチンを備えた作りで、学生はその一棟を4人でシェアーしているようだった。こうした建物が森の中に数多く建っており、建物の周りは芝生が敷き詰められ、常に大勢の従業員によって手入れされ、まるで別荘にいるような雰囲気なのである。ホテルと思ってやってきた私にとっては、何とも釈然としない思いもあったが、学生には贅沢過ぎる環境である。
因みに、私にとって何が不満だったかというと、駅までの歩くのに30分近くもかかるため、容易にシティに出かけようという気が起きないことと、携帯の電波が届かず、大事な連絡が取れなくなってしまったからだ。
それにしても、学生たちは庭で食事をしたり語らったりと大学生活を謳歌している。棟ごとに男女の住み分けは行われているのだろうが、芝生の周りにはいつも男女が屯していて、日本の大学生には考えられない環境なのである。
そもそもマッコーリ大学そのものが広大な敷地を持ち、巨大な公園の中にあるような大学で、学生たちはその公園の芝生に座り込んだり、寝そべって本を読んだり、語らったりと大学生活を楽しんでいる風である。日本では見かけないような色鮮やかな鳥も多く、人に慣れきっているのか、手の届くようなところに居て逃げる気配もない。こんな自然環境の中で大学生活を送ることのできる学生たちを正直、羨ましくも思った。
プールやジムなどの施設も充実しており、それは一般にも解放されているようで、大学と周辺地域の繋がりも深いように感じられた。
確かにシティに出るのを控え、不満を感じながらの三日間ではあったが、何とか電話が通じる大学の敷地内の芝生に陣取って、多くの学生に混じり、学生時代に戻ったような雰囲気を暫し味わえたことは、逆にひと時の喜びでもあった。