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あれこれオーストラリア探訪「シェアーハウス」
Date:2014年03月03日11時21分
Category:
地域(海外)
SubCategory:
あれこれオーストラリア探訪
Area:
指定なし
Writer:
三陽生人
こちらに来て最初に驚いたのがシェアーするという概念だ。シェアーという言葉が日常の会話の中に溢れている。自分の考え方や体験を話すだけで、相手は「今日は君の考えをシェアーしてくれてありがとう」って返してくる。意見や情報の交換もシェアーという言葉に置き換わる。「シェアー」つまり「共有」という意識がこの国の人々には当たり前のように備わっている気がする。
先日、テレビを見ていると、日本では有り得ない内容のCMに出会った。若いカップルが部屋を借りるところから始まるのだが、居間で二人がくつろいでテレビを見ているとパンツ姿のおじさんが後ろを通り過ぎ、二人で朝食を摂ろうとすると隣でおじさんが自分にもミルクをくれという。
場面は変わって、夜遅く帰って居間でハグしていると懐中電灯でおじさんにライトを向けられ、庭のプールサイドでくつろいでいると、おじさんが裸でプールに飛び込んでくる。そんな二人の甘い生活をことごとくおじさんが妨害するシーンが描かれたCMなのだ。
最初は何のCMかわからなかったが、人に邪魔されない生活を送りたいなら、ローンを利用して家を買おうという銀行のCMだったから驚いた。
恐らく日本人がこのCMを見ても意味がわからないだろうが、ここオーストラリアに住んでみると、意外にも切実な問題だというのがわかるのだ。
日本ではあまり聞きなれない言葉だが、こちらの賃貸住宅はそのほとんどがシェアーハウスだ。ちょうど一年前の本稿でも書いたが、一戸の家、あるいはマンションに他人と同居して暮らすのが普通なのだ。それでもひと部屋を一人で使うオウンルームならまだいいが、そのひと部屋さえもシェアして数名で住むというシェアールームともなれば、プライバシーを確保することはほぼ不可能だ。さらには、部屋もなくリビングで生活するリビングシェアーもある。
トイレ、お風呂、キッチン、洗濯機が共用というのはまだわかるが、他人と同じ部屋で暮らすとなるとかなりストレスを感じるに違いない。しかし、ここはそれが当たり前の国なのだ。
シェアーハウスで男女が一緒というのはよくある話だが、シェアールームでも男女一緒というのがあるから更に驚いてしまう。赤の他人、しかも国籍もバラバラ、もちろん生活習慣も全く違う人と一緒に暮らすというだけでも負担なのに、男女一緒の部屋ともなればその窮屈さは計り知れない。
しかも、こんな部屋だからといって家賃が安いわけでもない。因みに、私の知人が住むセントラル駅近くのシェアールーム(6人部屋)は光熱水費込みで週130ドル。月の家賃にすると日本円で53,000円くらいになる。別の知人が住むオウンルーム(6畳程度にベットが置かれただけの部屋)
ともなれば、週200ドルくらいにはなるから、82,000くらいか。さすがに世界一の物価高を誇る国だけあって賃料も半端ではない。
このシェアーハウスについては、もうすこし詳しく次回にでも認めてみたいと思う。
3人の日本女性が暮らすシェアルーム
ダブルベッド、シングルベッド、クローゼット、収納タンスだけの小さな部屋