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【街景寸考】感染以上に怖いこと
Date:2020年02月19日08時01分
Category:
エッセイ
SubCategory:
街景寸考
Area:
指定なし
Writer:
大昭寺いさじ
中国・武漢市で発症した新型肺炎コロナウイルスが、日本をはじめ世界各国にも広がりを見せ、メディアは連日連夜騒がしい。医学・医療の専門家らは、感染のピークを4月か5月頃ではないかと予想しているので、暫くこの騒ぎは続きそうだ。
TVに出演する専門家らの話を聞いていても、この新型コロナをどこまで本気で心配してよいのか、それほど心配しなくてもよいものなのか分かりにくい。「正しく怖がってほしい」と呼びかけてはいるが、その「正しい」の意味がよく分からないでいる。
感染力ではコロナウイルスの仲間であるSARSやМERS、それに季節性インフルエンザと比べて、あまり差はないようだ。最も気になる致死率では、新型コロナが今のところ約2.5%(感染者数約7万2千人で死者数約千8百人・2月18日現在)で、SARSの約10%、МERSの34%に比べると低い。
一方、インフルエンザの致死率は大分低くて約0.1%だが、国内での感染者数が毎年約1千万人いるので、毎年約1万人前後も亡くなっている計算になる。新型コロナも感染者数がインフルエンザ並みに増えていくようであれば、まだ治療薬がないだけに対岸の火事というわけにはいかなくなる。加えて、感染してから症状が出るまでの潜伏期間中でも他に感染する可能性も捨てきれないようなので、尚更である。
現在、発生源となった中国をはじめ、世界各国においても感染の広がりを封じ込めようと一丸になって様々な対策を講じている。日本国内においても、武漢からのチャーター便や横浜に寄港するクルーズ船への水際対策から、市中感染の対策へと比重を置かなければならない局面を迎えている。
ウイルスは目に見えないだけに、透明人間と対するような不気味さもある。「これはウイルスとの戦争だ」と声高に叫んでいる国もある。専門家たちは連日感染状況や政府の取り組み等を解説し、必ず最後には「とにかく、手洗いをすることです」と個々における対策として特に強調している。
「手洗い」と「戦争」という言葉に大きな隔たりを感じながらも、これまで手を洗う習慣のなかったわたしも、帰宅するたびに20秒ほど丹念に手を洗い、アルコール消毒までするようになった。このわたしの大きな変化は、10年前に当時の主治医から「煙草を止めないと命にかかわりますよ」と忠告され、その翌日から禁煙に転じたとき以来のことである。
新型コロナ感染のどさくさの中で、憎むべき、悲しむべき光景をTVで見るようになった。
新型コロナに過剰反応した一部の人々が、特定の国の人々や感染の疑いのある者に対して排外的な態度をむき出しにしている光景である。
こうした感染への過剰な警戒心による差別や偏見は、ウイルス以上に怖い。