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【街景寸考】「夢のこと」
Date:2014年11月25日18時16分
Category:
エッセイ
SubCategory:
街景寸考
Area:
指定なし
Writer:
大昭寺いさじ
自分は、デパートほどの高さもある超特大の自転車に乗っている。眼下には喧噪と活気に溢れる天神の街が見える。小生は何とかバランスを保ちながら少しずつ進んでいる。サドルとペダルの間隔が離れているので、足先が僅かにペダルに届く範囲でしか漕げず、今にも倒れそうだ。渋滞で前の車が止まれば、地面に足がとても届かないので、倒れるしかない。
自転車が倒れてしまうと、ビルの屋上から転落するようなものなので、死ぬしかないと思っている。この事態が夢であることを何となく分かっている自分がいるが、本当に死ぬかもしれないという不安も捨てきれないでいる。そうこうしているうちに自転車はついに傾き始める。奈落の底に落ちて行くような戦慄が走る。
そして地面に叩きつけられる寸前のところでいつも夢が覚めた。死ぬかもしれないと思って目を閉じたときに、現の世界で目が開いた。
追いかけられる悪夢も見る。真後ろをしつこく追いかけてくる。形は判然としないが怖い。否、判然としてないから余計怖い。強いて言えば魔物だと言うほかない。小生はその魔物から逃げようと恐怖に慄き、全速力で逃げようとするが思うように走れないでいる。
この悪夢は、恐怖の声を張り上げたところでいつも目が覚めた。現の世界で追いかけられるような悪行をしたのかと思ったりするが、いつも心当たりがない。逃げながら「許してくれ」という懺悔の気持ちもないようなので、今では悪行とは無関係な夢だと思っている。
夢は、脳に蓄積された記憶の中から引き出されて映像になったものだと思っている。夢になるくらいだから、恐怖や強烈な喜怒哀楽を体験したことが元になっているのではないかと思っていた。しかし、実際に見てきた夢は、何でもない日常的な風景も多く混じっているようなので、この考えは正しくないと思い直した。前出の悪夢のことで言えば、小さいころ大人の自転車に跨っていたこと、高所恐怖症であること、そして見慣れた天神の街風景、これらが合成されて夢になっている。ということは、夢は無数の記憶の中から、脳の気まぐれにより任意に引き出され、適当に合成された映像のようなものだと言えなくもない。だとするなら、もっともらしく夢を分析しても何の役にも立たないのではないかと考える。
そう考えると、どんな夢でも気にせず楽しんで見たらいい。悪夢は別である。