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【街景寸考】先生たち、がんばれ!
Date:2015年10月14日08時01分
Category:
エッセイ
SubCategory:
街景寸考
Area:
指定なし
Writer:
大昭寺いさじ
昔の教師は教育者として資質が高く、威厳があったと言う人がいる。実際どうだったかはわからないが、今の教師が威厳は別として資質が低いという実感はない。威厳はあまりないというのは確かだが、自由と民主主義の影響によるものであり、むしろ評価していい。
たまに教師らしからぬ教師はいるが、そうした教師は同じ割合で昔もいたのではないか。ほとんどの教師は、教育現場で働くことを目指して難関の教員採用試験を突破した真面目で、有能な人材ばかりだと言っていい。
問題があるとすれば、それは教師の資質ではなく職場環境に問題があるように思える。今の教師現場は、本来比重を傾けるべき授業以外の仕事に追いまくられているとよく聞く。授業に集中できる仕組みにはなってないらしい。日常的に残業あり、自宅持ち帰りあり、放課後の部活動もあれば指導補助もある。これに比べ昔の教師は授業に専念できる環境にあっただろうし、教育者として磨きをかけることができたに違いない。
変な親が増えてきたことも教育現場に影響しているようだ。教師に対して自己中心的で理不尽な要求をする親が増えた。クレーマーのような親もどんどん出現しているようだ。教師の教え方に不満を言い、自分の子供が不公平に扱われたと思い込んで抗議してくる親も珍しくないという。
昔の親は教師を信頼し、学校のことは教師にすべて任せた。「先生、ウチの子が悪いことをしたら叩いてやってください」と頼み込む親の方が圧倒的に多かった。親は教師に尊敬の念を持ち、親がそうだったので子どもたちも自然に教師を敬った。敬う気持ちがあるから素直に教師の言うことに耳を傾けた。
今の親は大卒が多くなったので教師を対等な目線で見るようになった。対等な関係になったつもりでいるので教師に対して感謝の念はない。教師が教育の専門職であるという認識もない。逆に、教師を独善的に評価し、その悪口を子どもの前で平気に喋る。
家庭教育すら満足にできない親たちが教師に物申す資格がどれだけあるというのか。こうした親が増えてきたことで、どれだけ教師の足を引っ張っているかが容易に想像できる。行政は教師が本来の教師として授業に専念できるよう配慮してやるべきだ。親は教師を信頼し、任せることだ。教師の評価や資質向上は行政に任せればいい。先生たち、がんばれ!